vol.01

【まちづくりってなんだろう?】

2026.10.11

古久保寿樹

古久保寿樹

2026/10/13

古久保寿樹

2026/10/13

近年、「まちづくり」という言葉を耳にする機会が増えた。

新しい施設ができたり、道路が整備されたり、観光客が増えたり。

もちろん、それもまちづくりのひとつなんだと思う。

でも、ふと考える。

新しいものをつくることが、本当に町を良くすることなんだろうか、と。

古くなった建物を壊して、新しいものに建て替える。

確かに便利になることもあるし、綺麗にもなる。

でも、そこに長い時間をかけて積み重なってきた記憶や風景は、一度壊してしまうと、もう元には戻らない。

古いものには、古いものにしかない価値がある。

それは、ただ懐かしいということではなく、時間というエッセンスがなければ生まれない何かが、そこにはあるということ。

だからといって、闇雲に古いものを何でも残せばいいとも思わない。

新しいものを否定したいわけでもない。むしろ、僕は新しいことを考えることが大好きだ。

ただ、新しくする前に、もう少し考えてみてもいいんじゃないだろうか、と。

今あるものを、違うかたちで生かすことはできないだろうか。 そこに新しいアイデアを重ねることで、今までになかった唯一無二の価値が生まれるかもしれない。

いや、きっと生まれるはずだ。

少なくとも、僕はこれまでの経験からそう思っている。

そして、もうひとつ。

町は、観光客のためにあるわけではないということ。

そこで暮らす人がいて、働く人がいて、商いを続ける人がいる。

何気ない日常の積み重ねが、その町らしい風景をつくっているんだと思う。

僕たちは和歌山県の白浜という町で、古い建物を生かしながら、小さな店や宿を営んでいる。

大きなことはできないけれど、自分たちがいいと思うものを、自分たちの感覚で少しずつかたちにしてきた。

それがまちづくりなのかどうかは、正直よくわからない。

でも、町を良くしようと大きな声で叫ぶより、まずは自分たちの足元にあるものを大切にする。

そんなことから始まるまちづくりがあってもいいんじゃないかと思う。

新しいものをつくることよりも、今あるものの価値に気づくこと。

そして、その価値を次の時代につないでいくこと。

僕にとってのまちづくりは、案外そんなことなのかもしれない。

→vol.02 白良浜から、地元の人が消えたなら。

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